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DaVinci Resolve 21.1公開|新機能・Studio版の変更と更新前の注意点

DaVinci Resolveの公式ロゴ
画像:Blackmagic Design公式プレスイメージ

Blackmagic Designは2026年9月8日、映像編集・カラーグレーディング・VFX・音声制作ソフトDaVinci Resolve 21.1DaVinci Resolve Studio 21.1を公開しました。ベータ表記のないアップデートで、編集操作、Fusionのモーショングラフィックス、メディア管理、自動化の機能が拡充されています。

一方、無料版でPythonスクリプトを利用している方は要注意です。公式リリースノートには、Pythonによるスクリプト機能をStudio版へ移したと明記されています。本記事では、21全体の新機能と混同せず、21.1の変更点と導入前の確認事項を整理します。

目次

DaVinci Resolve 21.1の要点

  • 編集ではインスペクタープリセット、タイムライン比較、マルチカム操作、トリム編集を強化。
  • FusionではKrokodoveのシェイプ・3DツールやOpenPBRマテリアルシェーダーを追加。Studio版にはAIアシスタント連携用のネイティブMCPサーバーも搭載。
  • Python・高度なスクリプトの版条件と、旧版へ戻せないプロジェクトの互換性を確認してから更新する。

編集・マルチカム:繰り返す調整と比較作業を改善

カット/エディットページでは、インスペクター設定を再利用するプリセット、新しいタイムライン比較ワークフロー、複数クリップのFusionプロパティ編集などが追加されました。マルチカムではタイムコード同期時のギャップ処理や分解操作を改善し、キーボードショートカットは最大25アングルに対応します。これはショートカットの対応数であり、編集可能なカメラ数の上限を示す数字ではありません。

トリムのドラッグ、ナッジ、ループ再生、ギャップのコピー&ペースト、調整クリップへのトランジションも改善対象です。マーカー一覧のPDF書き出しや、復元したタイムラインバックアップでの履歴保持も加わりました。インタビューやイベント編集では、カメラ切り替えだけでなく、修正指示の確認・共有まで試す価値があります。

Studio版のAI Music Editorは、元の楽曲をより多く残し、繰り返しを避けるなどの調整が行われています。音楽を目的の長さへ編集する際も、接続部分や歌詞の切れ方は耳で確認してください。AIが納品品質を保証するという意味ではありません。

Fusion:Krokodove・OpenPBR・マクロ編集を拡充

公式日本語サポートでは、25種類以上の新しいKrokodoveシェイプ&3Dツールを案内しています。英語リリースノートではOpenPBRマテリアルシェーダー、MultiTextの配置機能、OGrafのアニメーション制御なども確認できます。Krokodove自体が21.1で初めて搭載されたわけではなく、今回はツールの追加です。

Macro Editorは、複数テンプレートを含むDRFXの読み込み・保存、選択した要素の一括操作、グループ化、ノードからの更新を強化。テロップやモーショングラフィックスのテンプレートを作り、繰り返し使う制作フローに関係する変更です。

Studio版では、Renderer3Dのディープ画像関連処理を拡張し、ハードウェアアクセラレーションを使う3Dディープレンダーを最大8倍高速化したとしています。対象はこの特定処理であり、Fusion全体や通常の動画書き出しが一律8倍になるという説明ではありません。実際の速度はシーン、GPU、設定に依存し、本記事では実測していません。

カラー・写真・メディア管理の変更

カラーでは、見つからないLUT/DCTLをLUT Managerから再リンクする機能や、DJI D-Gamut 2/D-Log 2、GoPro Log、Leica L-Log、Vivo Wide Gamut/Vivo Logへの対応が追加されました。該当するカメラ素材を扱う場合は、入力色空間と従来のLUT処理が重複していないか、基準クリップで比較しましょう。

Studio版のMultiMasterでは、Dolby Vision、HDR10+、HDR Vividの個別トリムなどを強化しています。複数規格へ納品する現場向けの変更であり、すべての利用者に必要な機能ではありません。

写真関連ではFujifilm・Leicaのカメラ制御、RAW調整やDNG補正を拡張。Studio版にはSony Alpha 7R VIのカメラ制御も記載されています。Photoページ自体は21からの機能なので、21.1の新設機能としては扱いません。

メディア管理には、プロジェクト単位の処理でDRPを書き出す機能、アーカイブにスチル・LUT・使用メディアを含める選択肢が追加されました。Blackmagic Cloud Presentationsでは字幕書き出しやマーカーへの注釈・返信・状態表示を改善しています。引き継ぎ先で開けるか、必要素材が含まれるかは、保存したという表示だけでなく復元テストで確認します。

無料版とStudio版:PythonとMCPは更新前に確認

最も運用への影響が大きい変更の一つがスクリプトです。無料版の「Critical Notes」にはPythonスクリプト機能のStudio版への移行、両版の変更点には高度なスクリプトがStudio版を必要とすることが記載されています。無料版で使っていた自作Python処理や外部連携が、そのまま動くと考えて更新しないでください。

Studio版にはコンソール用Pythonの組み込み対応が記載され、Python 2のサポートは終了します。追加APIはレンダープリセット、音声コーデック、話者・時刻を含む文字起こし、マルチカム作成、クリップ設定、メディア複製など広範囲です。既存スクリプトはPythonの版、呼び出し方法、利用APIを確認し、複製プロジェクトで動作検証する必要があります。

さらにStudio版のリリースノートは、AIアシスタントと連携するネイティブMCPサーバーを新機能として挙げています。ただし、この記載だけでは特定のAIサービスとの動作保証、実行できる操作の全範囲、外部送信されるデータの扱いまでは判断できません。実案件へ接続する前に、同梱の説明と接続先の権限・データ利用条件を確認してください。本記事では特定アシスタントによる自動編集を実証したとは扱いません。

通常の編集・Fusion改善と、Studio限定のAI・スクリプト機能は分けて判断しましょう。無料版はUHD以下のマスター/出力などの制限もあります。詳細は無料版とStudio版の両方の公式リリースノートを参照してください。

対応環境と旧プロジェクトの互換性

21.1の主な最低要件は次のとおりです。最低要件は快適な編集やすべてのAI機能を保証する推奨構成ではありません。また、この一覧にある条件がすべて21.1で新たに厳格化されたとは限りません。

  • Mac:macOS 15 Sequoia以降、Apple Silicon、メモリ8GB以上。Fusion利用時は16GB以上。Intel Macは今回の最低要件に含まれていません。
  • Windows x86:Windows 10 Creators Update以降、メモリ16GB以上(Fusionは32GB)、GPUメモリ4GB以上、OpenCL 1.2またはCUDA 12.8。NVIDIA Studio Driverは581.57以降。
  • Windows ARM:Windows 11 ARM、Snapdragon X Elite、メモリ16GB以上(4K編集またはFusionは32GB)。
  • Linux:Rocky Linux 8.6、メモリ32GB、独立GPUのメモリ4GB以上。NVIDIAドライバー条件はWindowsと異なるため、該当版のリリースノートを確認してください。

Studio版の高度なAI機能には、Macで16GBのシステムメモリ、Windows/Linuxで16GBのGPUメモリなど、基本要件より高い条件があります。バックグラウンドレンダー・解析も別条件です。GPUドライバー、外部プラグイン、Desktop Videoなどの周辺環境も併せて確認してください。

プロジェクトライブラリの互換性と、個別プロジェクトを旧版で開けるかは別問題です。公式文書は20.3.2とのライブラリ互換性を維持する一方、21.1で作成・開いた個別プロジェクトは20.3.2でアクセスできなくなると説明しています。ソフトだけ旧版へ戻せば復旧できるとは限りません。

更新前にプロジェクトライブラリ全体と個別プロジェクトをバックアップし、元メディアも別途保全してください。具体的な保存設定は、DaVinci Resolveの自動保存とバックアップ設定で整理しています。

更新前のチェックリスト

  1. 現在のResolve/Studioの版、OS、GPU、ドライバー、プラグインを記録する。
  2. 21.1で開く前のライブラリ・DRP・元メディアを別保存し、復元方法を確認する。
  3. Python・外部スクリプト・テンプレートを使う場合はStudio要否と互換性を確認する。
  4. 共同編集者や仕上げ担当とバージョンを揃える。納品直前の案件は更新時期を慎重に決める。
  5. 複製プロジェクトでマルチカム、Fusion、LUT、字幕、音声、短いテスト書き出しを確認してから移行する。

21.1はすでに公式サポートからダウンロードできます。次の修正版の日程は今回参照したリリースノートでは示されていません。新機能の数だけでなく、自分の制作フローに必要な改善と移行リスクを比べて更新を判断しましょう。

公式情報

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この記事を書いた人

梶原綾祐のアバター 梶原綾祐 株式会社OCTA CREATION

株式会社OCTA CREATION 取締役。
レコーディングエンジニアを経て、現在は映像制作・ライブストリーミングなど多岐に渡り活動中。

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