Blender Foundationは2026年8月25日、長期サポート版「Blender 5.2.1 LTS」を公開しました。今回の更新には、Video Sequence Editor(VSE)のキャッシュやネストしたシーンストリップ、リンク資産を含むUndo、Armature編集、Geometry Nodesなど、制作データの安定性に関わる修正が含まれます。
- VSEのキャッシュ更新とネストしたシーンストリップの再生を修正
- リンク資産がある状態でのUndoによる参照破損・クラッシュを修正
- Armature編集やGeometry Nodesなど複数のクラッシュ要因を修正
Blender 5.2.1 LTSで何が変わったか
Blender 5.2 LTSは2026年7月14日に公開され、2028年7月までサポートされる長期サポート版です。公式リリースページによると、5.2.1 LTSは8月25日に公開されました。LTS版は2年間、月次のバグ修正更新を受ける方針です。
今回は新機能を大きく追加する更新ではなく、映像編集、リンクデータ、リギング、ノード、レンダリングなどで報告された不具合を修正するメンテナンス更新です。納品中の案件で利用している場合は、修正内容だけでなく、既存プロジェクトやアドオンとの再現性を確認してから反映する必要があります。
映像編集で確認したいVSEの修正
Video Sequence Editorでは、シーケンサー入力を使うシーンストリップのプリフェッチが正しく行えない問題と、参照先シーンの内容を変更してもキャッシュが消去されない問題が修正されました。ネストしたシーンストリップ内のキーフレームアニメーションが再生されない不具合も修正対象です。
複数シーンを組み合わせた編集や、シーンストリップを差し替えながら尺を調整する案件では、プレビューと最終レンダーの一致を代表的なプロジェクトで確認してください。キャッシュ修正が含まれていても、すべての再生遅延や表示差が解消されると公式資料が保証しているわけではありません。
リンク資産とUndoに関する重要な修正
リンクされた資産がある状態でパック済みデータを追加し、その後Ctrl+Zで取り消すと、ノードグループ参照が破損したりBlenderがクラッシュしたりする問題が修正されました。ライブラリリンクや共有資産を使うチーム制作では、単なる操作上の不便ではなく、ファイル参照の整合性に関わる修正です。
ただし、今回の修正はバックアップを不要にするものではありません。更新前に現在の.blendファイルと外部資産を複製し、リンク切れ、パックデータ、Undo後の参照状態をテスト用コピーで確認してください。
クラッシュ・レンダリング・描画の主な修正
- Geometry Nodes:空のBundleリストを評価した際のクラッシュを修正
- Armature:アニメーション済みボーンを複製した後、Edit Modeで発生するクラッシュを修正
- EEVEE:毎フレームのサンプリング再設定を避ける修正を追加
- レンダーパス:薄壁マテリアルでTransmissionパスが空になる問題を修正
- Grease Pencil:塗りストロークが誤って循環扱いになる問題を修正
- Asset Browser:サムネイルのダウンロード失敗でBlenderエラーになる問題を修正
公式バグ修正一覧には、リソースリークを含む多数の修正も掲載されています。自分の症状が該当するかは、症状名だけで判断せず、公式チケットと再現条件を照合してください。
制作現場で更新前に確認すること
- 現在のBlender本体、
.blend、外部テクスチャ、リンクライブラリをバックアップする - 納品中の案件とは別に、代表的なプロジェクトの複製を用意する
- VSEのネストシーン、キャッシュ、リンク資産、Undoを重点的に試す
- 使用中のアドオン、レンダーエンジン、パイプライン連携の対応状況を確認する
- プレビューだけでなく、短い範囲を書き出して映像・音声・レンダーパスを比較する
更新情報を継続して確認したい場合は、CREATOR’S VILLAGEの「映像」カテゴリーもあわせてご覧ください。
確定事項と未確認事項
2026年9月2日7時時点で、Blender 5.2.1 LTSの公開日、修正項目、5.2 LTSのサポート期間はBlender公式資料で確認できました。一方、すべての環境での安定性、サードパーティー製アドオンの互換性、個別プロジェクトの再現性までは確認できていません。更新後すぐに本番ファイルを上書きせず、複製環境で検証してください。
公式情報
アイキャッチ画像:Blender Foundation公式ロゴキットを、ロゴ自体は改変せず二次的ブランド表示として使用。出典:Blender Logo Usage Guidelines


