Black Forest Labs(BFL)は2026年10月1日、画像生成・編集モデル「FLUX 3 Image」の提供開始を公式リリースノートで発表しました。文章から画像を作るだけでなく、被写体の配置指定、既存画像の部分編集、最大10枚の参照画像を使った制作を、単一のAPIで扱えるのが特徴です。
制作現場で注目したいのは、「何を描くか」に加えて「どこに置き、どこだけ直すか」を指定できること。本記事では公式仕様と料金を整理し、サムネイル、商品ビジュアル、デザイン案に導入する前の確認点を解説します。性能はメーカー説明に基づくもので、当編集部による実生成テストは行っていません。
- バウンディングボックスで配置を指定し、色・形・位置などの部分編集にも対応。
- 参照画像は最大10枚。出力は768×768から4K区分まで、15種類の縦横比に対応。
- API料金は解像度別。日本時間10月9日0:00までの期間限定半額と通常料金を分けて確認する必要があります。
FLUX 3 Imageで何が変わる?
配置を文章だけに任せない、ボックスによる指定
公式ドキュメントでは、被写体を囲む矩形「バウンディングボックス」をJSON形式のリストとしてプロンプト末尾に加え、構図を制御する方法を案内しています。専用の別パラメーターではありません。座標は画像全体を0〜1000として表し、順番は[上, 左, 下, 右]です。
例えば、人物を右側に寄せて左側にコピーの余白を残す、商品と背景要素の位置を揃える、といったレイアウトを先に決める制作に接点があります。ただし、厳密な文字組みや納品規格への適合まで保証する機能ではありません。広告のコピーや企業ロゴは、生成画像とは分けて編集ソフトで配置し、最終確認する運用が現実的です。
部分編集と最大10枚の参照画像
BFLは、指定箇所以外を維持しながら、対象の色変更、置き換え、移動、拡大縮小、削除を行う「pixel-exact local edits」を説明しています。複数箇所を一度のリクエストで変更する例も掲載されています。元の構図を保ったまま案を比較したい制作で検討できますが、変更対象外の差分が実際にないかは、出力ごとの確認が必要です。
参照画像は最大10枚を同時に渡せます。人物、商品、背景、スタイルなどを複数の資料から組み合わせる用途を想定した仕様です。入力は1枚あたり256×256以上、最大16MP。料金ページによると、4MPを超える参照画像は処理前に4MPへ縮小され、16MP超は拒否されます。高解像度の原稿をそのまま細部まで参照できる、と考えない点に注意してください。
「4K」は3840×2160固定ではない
出力の解像度区分は768×768、1K、1.5K、2K、4Kです。公式料金ページは、1Kを約1MP、1.5Kを約2MP、2Kを約4MP、4Kを約16MPと説明しています。動画のUHD規格である3840×2160を指す固定サイズではなく、指定する縦横比によって出力寸法が変わる区分です。寸法は16の倍数に丸められます。
縦横比は16:9、9:16、1:1、3:2など15種類。参照画像がある場合のautoは最初の参照画像の比率を使い、参照画像がなければ1:1になります。横長サムネイル、縦長SNS素材、正方形の商品画像を作る際も、最終媒体の指定寸法へ合わせる工程は別途必要です。
API料金:半額期間と通常価格を分けて予算を組む
BFL直提供APIの料金は1画像あたりの米ドル建てです。サブスクリプションや座席料金ではなく従量課金として案内されています。以下は公式料金ページの表示で、他社サービスに組み込まれたFLUXの料金とは別です。
| 解像度区分 | 通常料金/画像 | 開始記念半額/画像 |
|---|---|---|
| 768×768 | 0.041ドル | 0.0205ドル |
| 1K | 0.048ドル | 0.024ドル |
| 1.5K | 0.070ドル | 0.035ドル |
| 2K | 0.100ドル | 0.050ドル |
| 4K | 0.607ドル | 0.3035ドル |
半額の対象期間は、公式に2026年10月1日15:00 UTCから10月8日15:00 UTCまでに受け付けた生成と明記されています。日本時間では10月2日0:00〜10月9日0:00に相当し、その後は通常料金です。検証を始める場合も、継続制作の見積もりは通常料金で計算しましょう。
プロンプトと参照画像は追加料金なしで、参照枚数によって画像単価は変わりません。テキストからの生成と画像編集、同じ解像度区分内の縦横比も同単価です。拒否されたリクエスト、生成失敗、モデレーションで非提供となった出力は課金されないと案内されています。
通常料金で100案を1K生成すれば4.80ドル、100枚を4K生成すれば60.70ドル。両者は約12.6倍の差があるため、低解像度で方向性を選び、必要な案だけ高解像度で仕上げる工程を検討できます。これは編集部の運用提案であり、再生成時に同じ結果を保証するものではありません。決済時の円換算や適用条件は利用先で確認してください。
納品前に確認したい、参照素材・学習利用・保存期限
- 参照素材の権利:顧客から預かった写真、人物の肖像、商品画像、商標をAIへ入力してよいか、契約と許諾範囲を確認する。生成できることと商用納品できることは同じではありません。
- 入力・出力の利用条件:FLUX API Service Termsは、入力と出力をサービス運営・改善・新製品開発に利用する権利をBFLへ許諾し、AIモデルの学習・改善に使用し得る旨を記載しています。未公開案件や機密資料を標準APIへ送る前に、契約条件を確認してください。
- ウェブ参照の設定:APIの
groundingは既定でtrue。公式説明では生成前にウェブ画像検索を行い、falseにするとプロンプトのみを使います。外部参照を使う工程かどうかを意識し、出力の出典・類似性を確認しましょう。 - 保存:公式API案内では、完成画像の取得URLは1時間以内にダウンロードする必要があります。納品フローに取得と保存を組み込み、URLを長期保管の代わりにしないでください。
- 最終品質:顔、指、文字、商品形状、色、変更対象外の領域を拡大確認。素材の事実性や実物との一致が必要な案件は、生成結果を実写の代替として無条件に扱わないことが重要です。
提供済みの範囲と、まだ断定できないこと
公式に確認できるのは、FLUX 3 ImageのAPI仕様、公式Playgroundでの利用案内、解像度・参照枚数・料金です。製品ページには企業向けのモデルウェイトのライセンス案内もありますが、誰でも自由にダウンロード・セルフホストできるという発表ではありません。ローカル導入が必要な場合は個別条件を確認してください。
一方、既存モデルや他社製品より必ず高品質、指定外ピクセルがすべての案件で完全に維持される、日本語の文字描画が常に正確、といった評価は本記事では断定しません。今後の機能追加日や価格の恒久保証も公表資料からは確認できません。制作上の価値は、配置と修正範囲の制御を実案件の検証条件に落とし込めるかで判断するのがよさそうです。
公式一次資料
- BFL公式リリースノート:2026年10月1日
- FLUX 3 Imageの公式仕様・API概要
- バウンディングボックスの公式ガイド
- FLUX 3 Image製品ページ
- 公式料金・半額期間・課金条件
- FLUX API Service Terms
- 公式ブランドガイドラインとプレスキット
ロゴ出典:Black Forest Labs公式プレスキット。ロゴは色・形・縦横比を変えず使用しています。本記事および編集デザインはBFLによる提供・推奨や提携を示すものではありません。


