ソニーは2026年7月28日、同日受注を始めたCinema Lineカメラ「FX5」について、予想を大幅に上回る注文が入り、商品のお届けまでに時間がかかる可能性があると発表しました。発売予定日は8月21日です。
FX5は、小型ボディにフルサイズ積層型センサー、カメラ本体内でのX-OCN記録、5K 60p、4K 120p、オープンゲート撮影などを盛り込んだ新しいCinema Lineです。注目度の高さだけで購入を急ぐ前に、納期とモデル構成、収録フォーマットを確認しておきましょう。
この記事の要点
- FX5は2026年8月21日発売予定。7月28日の受注開始直後から、納品に時間がかかる可能性が案内されている
- 税込価格はボディ単体が812,900円、XLRハンドルユニット同梱モデルが900,900円
- オープンゲートは発売時点ではX-OCN記録時のみ。XAVC S-Iでの対応は2027年8月以降の本体ソフトウェアVer.2.0で予定されている
※情報は2026年8月6日時点のソニー公式発表に基づきます。
FX5の供給案内で分かっていること
ソニーマーケティングの案内は、「販売終了」や「発売延期」を告知するものではありません。現時点で発表されているのは、予想を大幅に上回る注文を受け、届けるまでに時間がかかる可能性があるという内容です。
仕事で導入する場合は、「発売日に受け取れる前提」で案件の機材表や撮影体制を組まないほうが安全です。販売店ごとに入荷数や受付順が異なる可能性があるため、注文時には予定納期と、納期が確定するタイミングを確認しましょう。レンタル導入を考えている場合も、8月21日直後の在庫を事業者へ確認しておく必要があります。
発売日・価格・モデル構成
| 型名 | 構成 | メーカー希望小売価格 | 発売予定日 |
|---|---|---|---|
| ILME-FX5B | ボディ(XLRハンドル非同梱) | 812,900円(税込) | 2026年8月21日 |
| ILME-FX5 | XLRハンドルユニット同梱 | 900,900円(税込) | 2026年8月21日 |
同梱モデルとの価格差は88,000円です。新開発のXLRハンドルユニット「XLR-H2」を組み合わせると、XLR/TRSコンボ端子2系統を使い、最大96kHz・32bit float・4chの音声をカメラ内に記録できます。インタビュー、ドキュメンタリー、ワンオペ収録など、カメラ側で業務用音声入力を完結させたい場合は同梱モデルが候補になります。
一方、外部レコーダーで音声を収録する現場や、トップハンドルを別のリグで組む運用なら、ボディ単体を選ぶ余地があります。価格差だけで決めず、音声系統、ハンドルの必要性、MIシューを使う別売アクセサリーとの組み合わせまで図にして比較すると判断しやすくなります。
FX5の主要仕様で注目したい4点
1. フルサイズ積層型センサーと3つのベースISO
FX5は、新開発のフルサイズ積層型Exmor RS CMOSセンサーと、AI処理機能を画像処理エンジン内に統合したBIONZ XR2を搭載します。S-Log3撮影時のワイドラチチュードは15+ストップ。ベースISOは800、4000、12800の3つから選べると発表されています。
低照度性能はライブ会場、舞台裏、ドキュメンタリーなどで有利になり得ます。ただし、カタログ上の数値だけで常用ISOを決めるのは危険です。導入後は実際のレンズ、露出、ノイズ処理、納品コーデックでテストし、自社の許容ラインを決める必要があります。
2. X-OCNの内部記録と5K 60p
ソニー独自の16bitシーンリニアRAWフォーマット「X-OCN」を外部レコーダーなしで本体記録できます。X-OCN LTに加え、データ量を抑える新しいX-OCN C1、C2にも対応。記録は最大5K 60p、4K 120p、フルHD 240pに対応します。
ここで重要なのは、カメラが記録できることと、自社の編集環境で無理なく回せることは別だという点です。導入前に、使用する編集ソフトの対応状況、CFexpress Type Aカードの必要容量、カードリーダー、バックアップ時間、長期保管コストまで一連のワークフローで試算しましょう。撮影データの保全は「撮影データを失わない3-2-1バックアップ」も参考にしてください。
3. オープンゲートは記録方式に注意
FXシリーズとして初めて、3:2のセンサー全面を読むオープンゲート撮影に対応します。横動画と縦動画を同じ素材から切り出す案件や、アナモフィックレンズを使う制作では、フレーミングの自由度を広げられます。
ただし、発売時点のオープンゲートはX-OCN記録時のみです。XAVC S-I記録での3:2オープンゲートは、2027年8月以降に予定されている本体ソフトウェアVer.2.0の対応項目として案内されています。「オープンゲート対応」という一文だけを見て購入すると、想定していたコーデックで使えない可能性があるため注意してください。
4. 小型運用を支える手ブレ補正と拡張性
光学式5軸ボディ内手ブレ補正に加え、アクティブモード、ダイナミックアクティブモードを搭載します。モニターは3.5型・約276万ドットの4軸マルチアングル液晶です。有線LAN、2つのUSB Type-C端子、USB Power Delivery、別売ケーブルによるタイムコード入力にも対応し、小型ボディながら複数台運用や長時間収録を意識した設計になっています。
なお、ダイナミックアクティブモードでは画角がさらに狭くなり、使用できるフレームレートなどにも条件があります。手持ち撮影を主目的にするなら、必要な画角とフレームレートの組み合わせを公式仕様で確認したうえでテストするのが確実です。
購入前に確認したいチェックリスト
- 販売店から示される納期が、予定している撮影案件に間に合うか
- XLR-H2同梱モデルとボディ単体のどちらが、現在の音声運用に合うか
- 使いたい解像度、フレームレート、記録方式の組み合わせが発売時点で対応しているか
- X-OCN素材を編集・カラー・納品まで扱える環境があるか
- 必要なCFexpress Type Aカード、カードリーダー、バッテリーを含めた総額はいくらか
- 縦動画やアナモフィックで使う場合、オープンゲートの記録条件を満たせるか
- アップデート予定の機能を、発売時点から使える機能と混同していないか
発売記念キャンペーンも納期と分けて確認
ソニーは、FX5と対象レンズの同時購入を対象にした発売記念キャッシュバックを案内しています。購入期間は2026年7月28日から9月28日、応募期間は8月21日10時から10月13日10時までです。レンズによってキャッシュバック額や条件が異なるため、必ずキャンペーンページで対象製品と必要書類を確認してください。
供給案内が出ている以上、「キャンペーン期間内に注文した」ことと「希望日に受け取れる」ことは分けて考える必要があります。案件に必要な日が決まっているなら、まず納期を確認し、間に合わない場合はレンタルや既存機材での代替案も残しておきましょう。
まとめ
FX5は、X-OCN内部記録、5K 60p、オープンゲート、3つのベースISO、32bit float音声など、少人数の制作からシネマ系ワークフローまで幅広く意識した仕様です。一方で、受注開始日の時点で供給に時間がかかる可能性が告知され、機能によっては記録方式の条件や将来アップデートがあります。
購入判断では、「新しいから」ではなく、納期、既存アクセサリー、音声構成、記録メディア、編集環境、案件の納品形式までを一枚の運用表にまとめるのがおすすめです。FX5の強みが現在のボトルネックを解決するかを確認してから導入すれば、機材投資を現場の改善につなげやすくなります。
公式情報
- ソニー「プロフェッショナルカムコーダー『FX5』の供給に関するお知らせ」
- ソニー ニュースリリース「映像表現の可能性を広げるCinema Lineカメラ『FX5』発売」
- ソニー「FX5」製品情報
- ソニー「Cinema Line FX5 発売記念キャンペーン」


