Adobeは2026年9月29日、Adobe Photoshop Lightroom Classicの2026年9月リリース、バージョン15.6の更新内容を公開しました。今回のポイントは、反射削除の品質改善、人物・風景マスクの選択操作の効率化、写真読み込み時のフリーズを含む不具合修正です。
新機能だけを理由に納品直前の環境を更新する必要はありません。ガラス越しの写真を扱う人、読み込み中の停止に困っている人、Camera RawとXMPを受け渡す人は、変更点と更新前の確認項目を先に押さえておくと判断しやすくなります。
Lightroom Classic 15.6で何が変わった?
- 反射削除を改善:窓、ガラス、水面などの反射除去で、にじみやゴーストを減らす方向の改善。
- マスク選択の操作を短縮:人物・風景のマスク作成で「すべてを選択」「すべての選択を解除」に対応。
- 制作を止める不具合を修正:写真読み込み時のAssisted Culling関連の停止、Adaptive Colorの描画問題、SDKによるプリセット適用とAI設定更新の競合を修正。
発表日は9月29日ですが、公式資料では発表時刻まで確認できません。更新はCreative Cloudデスクトップアプリから確認できます。これはLightroom Classicの更新であり、クラウド版Lightroomの機能発表と同一ではありません。
反射削除は「改善」。どんな写真でも完全に消えるわけではない
Adobeが説明しているのは、既存の反射削除の改善です。ガラス越しに撮影した店内、展示物、窓からの景色などで反射が気になる場合、再処理を試す判断材料になります。一方、発表内容だけで、あらゆる写真の反射を完全に除去できるとは言えません。
実務では、全体表示で自然に見えても、人物の輪郭、細い文字、被写体の境界を拡大して確認してください。反射と本来の被写体が重なる箇所は特に注意が必要です。ここからは編集部の運用提案として、元データを残し、処理前後を比較してから採用することをおすすめします。
人物・風景マスクの「全選択・全解除」は何に役立つ?
15.6では人物・風景のマスク作成時に、対象候補をまとめて選択・解除する操作が追加されています。複数の対象を扱う際の選択手順を減らす変更です。マスク検出の精度が一律に向上したという発表ではないため、選択後の境界確認は引き続き必要です。
多くの対象を選んでから不要な部分だけ外す、逆に全解除して必要な部分だけ選ぶ、という使い分けが考えられます。撮影ごとの作業手順に合わせて、クリック数が減る方を試してください。
不具合修正は3項目。自分の症状と照合する
写真読み込み時にAssisted Cullingのポップアップで停止する問題
公式の修正一覧には、写真読み込み中にAssisted Cullingのポップアップによってアプリがロックする問題が掲載されています。この症状が出ていた環境では、更新後に代表的な少量の写真を読み込んで動作を確認する価値があります。ただし、原因の異なるすべての読み込み停止が解消するという意味ではありません。
Adaptive ColorとXMP・Camera Rawの組み合わせ
関連するXMP、Camera Raw、Adobe Colorの設定がある条件で、Adaptive Colorが正しく描画されない問題も修正対象です。複数アプリや担当者間で編集情報を受け渡す場合は、更新後の表示と書き出し結果を確認してください。
SDKのプリセット適用とAI設定更新の競合
SDKからプリセットを適用する処理とAI設定の更新との間で起きる競合状態も修正されています。プラグインや自動処理を利用している場合は、普段の処理を少量のサンプルで再現し、出力まで確認してから本番に戻すと安全です。
新しいカメラ・レンズ対応は、対象機種をリストで確認
公式発表では新しいカメラとレンズの対応も案内されています。自分の機種のRAW読み込み対応やレンズプロファイルを、Adobeの対応一覧で確認してください。RAW形式への対応、レンズ補正、テザー撮影は別の確認項目です。ひとつの一覧への掲載だけで、すべての撮影機能が利用できるとは判断しないでください。
更新前に確認したい5つの項目
- カタログをバックアップ:更新前のカタログを保管します。カタログのバックアップは写真の原本バックアップとは別です。
- 写真の原本も別途保管:保存先、外部ドライブ、バックアップの所在を確認します。
- 締め切りを確認:納品直前なら、更新を検証できる時間を確保できるか判断します。
- 代表写真で検証:反射のある写真、人物・風景マスク、通常の読み込みを少量で確認します。
- 連携と書き出しを確認:XMPの受け渡し、Camera Raw、プラグインを使う場合はその経路も含めて確認します。
これらはAdobeが保証する検証手順ではなく、編集部による制作環境を守るための提案です。今回の更新に伴う機能ごとの追加料金、日本向けの個別の提供条件、すべての環境での性能改善までは、この発表から確定できません。自身の契約と対応環境は更新画面・公式サポートで確認してください。
まとめ:新機能より「困っている工程」で判断する
Lightroom Classic 15.6は、反射削除の仕上がり、マスク選択の操作、読み込みや編集情報の連携といった日常の工程に関係する更新です。該当する症状や作業がある人は、カタログと原本を保護したうえで、少量のサンプルから確認してください。変更点が自分の業務に関係しない場合、納期を優先して更新時期を選ぶ判断もできます。


