Adobeは2026年9月22日(公式英語ブログの掲載日)、動画編集アプリ「Adobe Premiere」のAndroid版提供開始を発表しました。基本編集から最大4Kの書き出しまで無料で利用でき、日本も提供対象に含まれます。ただし、生成AIのクレジットや追加ストレージは別扱いで、デスクトップ版と同じ機能がすべて使えるわけではありません。
- 基本編集・端末内へのプロジェクト保存・書き出しはAdobeアカウントなしで開始できる。
- 必要環境はAndroid 13以降、RAM 5GB以上。日本語に対応する。
- 字幕強化やキーフレーム、デスクトップ版での編集継続などは、発表時点では今後の提供予定。
無料でできることと、追加費用が必要なこと
Android版は、映像・音楽・テキストなどを重ねるマルチトラック編集、フレーム単位のカット調整、エフェクトやトランジション、最大4Kの編集・書き出しに対応します。Adobeは広告やウォーターマークのない編集環境として案内しています。撮影した短い素材を組み合わせ、SNS向けの動画を端末上で仕上げたい人にとって、新たな選択肢になります。
一方、公式FAQでは生成AI機能にFireflyの生成クレジットの購入・使用が必要とされています。追加ストレージも有料アップグレードの対象です。「アプリが無料」と「生成AIを無制限に無料で使える」は分けて考える必要があります。国内の課金額や必要クレジット数は、利用する機能とアプリ内の購入表示で確認してください。
基本編集、ローカル保存、動画の書き出しにログインは不要です。ただし無料のStock音楽へのアクセスや生成AI機能の利用にはサインインが必要です。音楽を案件で使う場合も、素材ごとの利用条件や公開先の条件まで確認しましょう。
対応端末はAndroid 13以降・RAM 5GB以上
公式の技術要件は、Android 13以降を搭載し、RAMが5GB以上のスマートフォンまたはタブレットです。スマートフォンの画面表示は縦向きのみ、タブレットは縦向き・横向きに対応します。対応言語には日本語、提供対象国には日本が記載されています。
素材ライブラリ、生成AI、その他のクラウド機能にはネットワーク接続が必要です。公式要件はWi-Fiまたは携帯回線で、携帯回線は4G以上・5G推奨としています。ロケ先で使うなら、端末の空き容量に加え、素材の取り込みやクラウド機能に使う通信量も見込んでおきたいところです。
Android版でまだ前提にしない方がよい機能
提供開始の発表では、Adobe Fonts、字幕の強化、キーフレーム、クロップ、ビート検出、Premiereデスクトップ版での編集継続などが「近日提供」とされています。具体的な提供日は示されていません。iPhone版の解説やモバイル版共通のヘルプに機能が載っていても、Android版ですでに使えるとは限りません。
公式FAQのAndroid・iPhone比較にも差があります。たとえばAndroidの自動字幕は提供予定、速度変更では逆再生や速度カーブに制限が示されています。納品に字幕や細かな動きの制御が必須なら、実際の端末で必要な機能を確認してから制作を始めるのが安全です。
なお、発表はFireflyによる生成機能を紹介していますが、FAQの個別機能表とは案内の粒度が異なります。すべての生成機能がAndroidで同時に使えるとは断定せず、アプリ内の提供状況・ログイン・クレジット条件を確認してください。
短いテスト動画で確認してから本番へ
制作現場では、デスクトップ編集を丸ごと置き換えるより、現場で短いSNS動画を仕上げる用途から検証すると判断しやすくなります。Enhance Audioは雑音のある録音の明瞭さを改善する機能ですが、収録自体の品質を保証するものではありません。処理後も声の自然さや音切れを聞き直してください。
- Google Playで対象端末へのインストール可否と必要環境を確認する。
- 実際に使う素材で、読み込み・カット編集・音声・書き出しまで短い動画を作る。
- 字幕、縦横比、解像度など納品条件を満たすか、出力ファイルを別の再生環境でも確認する。
- 生成AIやクラウド機能は、提供状況・通信・課金・素材の取り扱いを確認してから使う。
- 端末内の素材を保管し、デスクトップ連携の提供予定を前提に納期を組まない。
パソコン側のPremiereも更新する場合は、Premiere・After Effectsの最新アップデートと導入前の注意点を併せて確認してください。モバイル版の提供開始と、デスクトップ版の更新内容は別の話題です。
公式情報
- Adobe:Android版Premiere提供開始の発表(9月22日)
- Adobe:Premiereモバイル版FAQ・AndroidとiPhoneの違い
- Adobe:必要システム構成
- Adobe:提供対象国
- Adobe:Android版の概要


