テレビ朝日は2026年7月31日、長尺の番組映像からSNS向けショート動画を効率的に生成するAIアプリケーション「ClipMind」を開発したと発表しました。Google Cloud主催「放送局合同 AI ハッカソン」の開発コースで最優秀賞を受賞したプロトタイプです。
動画の内容解析から編集方針、シーン選定、テロップ作成までをAIが支援し、生成後もチャット形式の指示で修正できる点が特徴です。番組素材の二次展開や縦型動画制作に関わるクリエイターにとって、編集工程の役割分担を考えるうえで注目すべき事例です。
ClipMindでできること
- 自動解析と構成案:動画をアップロードすると内容を解析し、編集方針を設計
- シーン選定:ショート動画に使う場面をAIが選択
- テロップ作成:選定した場面に合わせてテロップを生成
- 自然言語で修正:「テロップを黄色に」「特定の場面を長く」などの指示に対応
確定していること
テレビ朝日ホールディングスの公式発表では、ClipMindは放送局の制作課題を解決するために開発されたプロトタイプです。2026年7月2日に行われたハッカソンで、28チームの中から開発コース最優秀賞に選ばれました。
審査では、動画解析、編集設計、テロップ作成をAIが担い、人間がクリエイティブな判断を行う役割分担の合理性が評価されています。
まだ発表されていないこと
一般提供の開始日、料金、外部ユーザー向け提供の有無、対応する動画形式や尺、書き出し仕様、利用するAIモデルの詳細は公表されていません。番組素材を扱う際の保存期間、学習利用の有無、権利処理、セキュリティについても、公開情報だけでは確認できません。
現時点では市販サービスとして導入できる製品ではなく、実運用に向けて改良を進める段階と理解する必要があります。生成AIを制作現場へ導入する際の基本的な確認事項は、生成AIを制作現場で安全に使うためのチェックリストでも整理しています。
制作現場への影響
長尺番組から縦型ショートを作る工程では、素材確認、見どころ抽出、尺調整、テロップ入力、SNSごとの修正に時間がかかります。ClipMindの考え方が実用化されれば、編集者は候補抽出や初稿作成をAIに任せ、文脈、演出、権利、ブランド表現の確認へ時間を配分しやすくなります。
一方、自動選定された場面が番組の意図を正しく伝えるとは限りません。誤解を招く切り取り、字幕の誤認識、出演者・音楽・映像素材の二次利用条件は、人間による確認が不可欠です。
導入を検討する際の確認項目
- アップロード素材がAI学習に利用されるか
- 素材と生成物の保存場所・保存期間
- 出演者、音楽、写真、映像の二次利用範囲
- 字幕の固有名詞・数値・文脈の確認手順
- 担当者が最終承認できる編集・差し戻しフロー
- TikTok、YouTube Shorts、Instagram Reelsごとの仕様対応
今後の予定
テレビ朝日は、ClipMindを試作で終わらせず、実際の制作現場の声を取り入れながら実運用へ向けて改良するとしています。一般提供や社外利用については発表されていないため、今後の公式情報を待つ必要があります。
公式一次資料
画像素材:株式会社テレビ朝日公式プレスリリース掲載写真、テレビ朝日公式ロゴを使用。


